SCAA展示会

4月21日からアメリカ、シアトルでSCAAの展示会が開催されるため渡米しました。コーヒー大国アメリカさんがどういったコーヒー文化を持っているのか、どういったコーヒー市場なのかを調べるためです。またぼくが扱っている東ティモールミャンマーのコーヒーを売り込むためです。

 

展示会本番は明日からですが、今日までにいろいろな人に会いました。

Kalsada Coffee

フィリピンのコーヒーを扱う社会企業。フィリピンはベンゲット州で一つのコミュニティに特化し、収穫から輸出まで農家とともにおこなっています。

 

Conduit Coffee

卸に特化しているコーヒー屋さんで、週に一回Public Cuppingをおこなっています。現在はアフリカの豆がニュークロップではいってきているので、コンゴルワンダ・ブルンディの豆を売り出し中。参加したPublic Cuppingでは、エチオピアの豆とペルーの豆をカッピング。また、それをブレンドした豆を試飲しました。春ブレンドとして販売する予定で、参加したお客さんに意見を伺っていました。また、今回の展示会でアジアのコーヒーカッピングイベントで使用する豆を焙煎してくれています。

 

Victola Coffee

ここでもPublic Cuppingが開催されていました。グァテマラ・ブラジル・ルワンダ・ブルンディ・ケニアのコーヒーを用意しており、酸味や香りの華やかさが異なるコーヒーを参加した人に紹介し、わかりやすくコーヒーの違いを紹介していました。

 

他にもたくさんありますが、シアトルに来て改めて感じたのは、コーヒーが人を繋いでくれるということです。毎日新しい人と会い、新しい価値観を教えてくれます。コーヒーはこういうものだと決めてしまう必要はなく、もっと自由でいいんだと教えてくれます。

 

今日までにあった中で一番印象に残ったのは日本のブルーボトルにもコーヒーを販売しているブラジルのfafcoffeesのドン・マルコスさん。彼は、現在のコーヒー市場の方向性に新しい価値観を与えようとしています。

それは、「香味品質」ではなく「全体品質」というものです。つまり、美味しいコーヒーにとどまることなく、どういった土地で、どういった栽培方法で、コーヒー栽培がどういった良い影響を与えているかを環境と社会から総合的に評価して、そのコーヒーの品質を決める。全体品質。

環境のことを考えないでコーヒーを栽培しているところはいくらでもあります。しかし、環境と社会のことを理解し、その上でコーヒー栽培をおこなっているところは少ないです。

日本では、まだこの価値観に立っておこなっているコーヒー会社はありません。それは、コーヒー栽培のことを知っている人が少なく、コーヒーを一連の流れで把握できる人が少ないからです。

僕自身は少なからずコーヒー産地に行き、小農家と常に関わっています。その中で感じた違和感は、まさにそこです。香味の品質のみにとわられてしまうと、コーヒー全体を見失ってしまう。コーヒー小農家の中には、環境的に高品質のコーヒーを作り出すことができない人がたくさんいます。香味品質から全体品質へ。

 

コーヒーの将来を考える上で僕の一つの指標となりそうです。